初めて流氷を見たのは学生時代の2月に冬の北海道を旅した時である。当時の国鉄では20日間有効の北海道周遊券というのがあり、その切符を利用して鉄道主体の旅をした。明日の予定がその時の状況で変わっていく気ままな旅だった。すでに長期の春休みなので時間の心配はない。貧乏学生だったのでお金の心配ぐらいである。下宿をしていた京都から青森行の特急「白鳥」に乗り、青函連絡船「十和田丸」で北海道に渡った。
ニセコひらふと富良野でスキーをした後はスキー板を送り返した。それから丹頂鶴、白鳥、そして流氷を見て回る冬の旅に切り替えた。この3つは、北海道の冬の三白(さんぱく)と言われていた。今はあまり聞かない言葉になっている。
当時はまだ流氷の接岸する範囲も広く量も多かった。特にその年は比較的広範囲に接岸していたのだと思う。初めて流氷らしきものを見たのは帯広から乗った特急「おおぞら3号」が釧路駅に着く手前の車窓からだった。その後、根室の納沙布岬、野付付近からの根室海峡、網走の能取岬、サロマ湖方面からも見たが、いつも水平線までびっしりの流氷を見ることができた。流氷は年々少なくなってきており、今ではここまでの流氷は見られないだろう。
最近では2年に一度は流氷を見に行くことにしている。2月の後半から3月初めが、比較的晴天の中の流氷を見られるのではないかと思っており、大体この時期に訪問している。2005年3月に久しぶりに見に行ってからは、2008年2月、2010年2月(網走から稚内までオホーツク沿いをレンタカーで北上したが全く接岸無し。宇登呂付近でなら見られたかもしれない。)、2012年3月、2014年3月に訪問している。
今回は、知床の羅臼から船に乗って、流氷の上にたたずむオジロワシ、オオワシを見に行くことを第一の目的とした。初めてなので楽しみにしていた。
中標津付近に行くと必ず立ち寄る開陽台付近の直線道路。
国道335号(国後国道)で羅臼に向かう途中の川。
羅臼の小さなまちを見下ろす展望台より。遠くに国後島が見える。
国後島。手前の海に白く写っているのは流氷。国後島側に接岸している。
翌朝、羅臼港から乗船し、国後島に接岸している流氷に近づく。お客さんは全員で10人程度だった。すごい望遠付の一眼レフカメラを持った人たちが何人か乗っている。プロのカメラマンもいたようだ。オジロワシ(茶色い方)やオオワシ(少し大きい黒い方)などが集まる。集まっているのではなく、エサとなる魚をまくので、たくさん集まってくる。
羅臼の道の駅「知床・らうす」。この羅臼の塩水ウニ(エゾバフンウニ)を買って、その夜の宿で食べた。何とも言えないうまさ。羅臼のウニは最高級の羅臼昆布を食べて育つというのがその理由らしい。羅臼産の開きホッケは1枚298円。
冬のキタキツネ。知床半島北側の宇登呂へ向かう途中。国道244号線の根北峠付近で。
斜里〜宇登呂〜岩尾別の間での流氷。穏やかな天気だが、この時は北海道の日本海側は大荒れだった。ここでも前日まで非常に強い風が吹いていたので、沖合の流氷が遠くへ行ってしまったらしい。
ウトロ港を見下ろす展望台付近でのエゾシカ。数が増えすぎて対策に困っているらしい。
知床斜里駅に立ち寄った。たまたま「流氷ノロッコ号」が出発するところだった。(一番左に停車中)
北浜駅。この辺りを走ると必ずこの駅にも立ち寄る。この北浜付近には流氷は来ていない。
羽田に到着。今月退役するANA747-400が離陸する写真を撮ることができた。
[2014年3月7日(金)〜9日(日)に訪問]