東海道新幹線から700系が引退する。2020年3月8日の走行が最後となる。
この時期、旅行会社から700系に乗車することが目的のツアーが組まれていた。最終走行の日が約一週間後に迫った土日に、700系による団体専用列車として東京・新大阪間で一往復運行された。そのツアーに参加するといくつかの特典が有るということもあり、東京から新大阪までの片道は700系に乗り、帰路は700系ではない新幹線に乗車するという企画を申し込んでいた。
しかし催行日が近づくにつれ、テレビでも新型コロナウィルスの話が騒がれ始め、大阪行きを自粛するかどうか、前日の遅い時間までかなり悩むことになった。結局、３つの理由を自分に言い聞かせてキャンセルを決心し、当日早朝でも連絡が可能であった旅行会社の連絡窓口にキャンセル連絡を入れた。理由は、訪問先に考えていた「京都鉄道博物館」がこの日から臨時休館に入ったこと、大阪方面は雨が降る天気予報だったこと、それと新型コロナウィルス感染の懸念であった。
とはいえ 非常に残念なので、朝の東京駅に出発の様子を見に行くことにした。自分が座る予定だった座席位置も確認した。その車両は予定通り出発される多くの鉄道好きの人たちが乗っていて活気が有った。その様子からも、やはりやめておいて良かったのかも知れないと思ったりもした。
まだ最終日にも700系新幹線の写真を撮影できると思いながらも、発車時刻まで何枚もの写真を撮影した。間もなく発車時刻となり、残念な気持ちで新幹線を見送った。
結局、一週間後の3月18日は新型コロナウィルスの関係で、東京駅での最後の700系出発時のセレモニーと、最終走行列車の運行は見送られた(新大阪駅でも予定されていた)。突然引退した形になり残念であったが、1999年の700系のデビュー以降、この20年間で数えきれない乗車をさせてもらい、多くの思い出は残っている。最後だからと騒がずに静かに引退していくのもありかなと思った。その700系の写真も、この時に撮っておいた団体列車の写真が最後となった。
東海道新幹線から700系新幹線は引退するが、山陽新幹線では引き続き活躍の場があると聞いている。東京駅での最後の出発の光景は見ることができなかったが、またいつの日か山陽新幹線の700系に乗れることを楽しみにしている。
[2020年2月29日（土）に訪問]
