旅の途上で

私の旅の記録です

東京が大雪だった日の話

2/10(月)の平日を年休にした。2/11(火)が建国記念日の祝日なので、土日と合わせて4連休ができる。札幌勤務時代以降行っていない札幌雪まつりと、支笏湖氷濤(ひょうとう)まつりを見に行く予定にしていた。宿泊先の温泉宿も含め、結構楽しみにしていた。
ところが、金曜から東京都心で20年ぶりの大雪との予報。これはやばいのではないか。明日の飛行機は14時発だがちゃんと飛べるのだろうか。考えても仕方がないのでその夜は眠ることにした。

出発日の朝、ANAのホームページで運航の見通しを確認したところ、14時発の札幌行は「欠航」にはなっていない。「天候調査中です」とある。それなら先ずは羽田に行くしかない。外に出ると雪が降っていて、路面にはうっすらと雪が積もりかけている。


羽田空港2階の出発ロビーはひどく混雑していた。すでに「欠航」も多く出始めている。人が多いのは、航空券をキャンセルするか、別の便に振り替える乗客が長い列を作っているからである。


「欠航」が多い。でも運がいい、自分が乗ろうとしている便は欠航になっていない。しばらくすると、15時以降の便は全て欠航というアナウンスが入った。良かった、何とか飛んでくれる。
欠航になっていないので、保安検査場から中に入ることにした。こんなにロビーが混んでいても、出発便が少ないので保安検査場に人は少ない。


14時発が15時に変更となった。その時間が近づく頃、除雪車のトラブルという理由で搭乗口の変更があり、ぞろぞろとみんな移動を始めた。もうそろそろ搭乗かと思っていると、また15:30に変更となった。ずるずると遅れているが、まあ今日札幌に行けるならいいか。という思いだった。


ようやく搭乗が始まった。窓の外はかなり雪が降っている。


作業車から翼に何かの液体を強烈に吹き付けている作業員の方がいた。雪の中厳しそうな作業である。翼の雪を吹き飛ばしているのか、雪がつかないようにしているのか。

しばらくして、ドアが閉まったとのアナウンス。しかしいつまでたっても動かない。ひょっとして、結局このまま飛び立てないということになるのではないか。ふとそんな思いが頭をよぎった。
そして結局17時過ぎに「欠航する」とのアナウンス。機内のどよめきは思ったほどではなかった。やはりみんな半ばそういう思いだったのではないか。逆に、飛ぶと期待させられて、これだけ待たされて。時間だけが経過して、結局欠航とは・・・。大騒ぎしない日本人は素晴らしいなと思ったが、ANAに対しては、もっと早い段階で判断をしてほしかった。今から明日の便に振り替えるにしても、すでに座席は満席なのではないか。


日も暮れかけた雪の空港。

もう今日の飛行機は全て欠航。ロビーではこの飛行機の搭乗者による長い行列ができていた。少し並んでいたが、並ばなくてもANAのホームページからの変更ができることがわかりその列を外れた。一言言わないと気が済まなかったので、近くにいた地上係員に一言だけ言ったが、それ以上はやめておいた。天候のことなので仕方がない。飛んでいたら事故をしていたかもしれないし・・・。それにしても、その判断が遅すぎるということが問題ではないかと思った。


15時以降欠航の案内と、明日の運行情報の案内。


京急線の改札口では駅員から出発が遅れているとの説明あり。でも出発するようなので、あまり気にせず改札を通過し電車に乗り込んだ。ほどなくして出発した。


いくつかの途中駅で長時間停車しながら運行していたが、ずっと携帯電話から明日の振り替え便を探していたので、さほど時間は気にしていなかった。一瞬、空席が出たので手続きをしようとすると消えていく。その繰り返しである。それでも、いくつかの便はおさえられた。
そして、ついに「この電車は京急蒲田止りとなります。品川方面は乗り換えてください」というアナウンス。京急蒲田駅のホームには雪が吹き込んでいる。電車を乗り換えた。しかしいつまでも動かない。ドアも閉まっていないので、冷気が吹き込み寒くて仕方がない。


結構時間がたってから出発したが、車内のアナウンスで「平和島」駅で運行を停止する。その後の予定もなしとのこと。なんと、降りたこともない駅で降ろされてしまった。



駅構内や改札付近も多くの人であふれている。ここに居ても仕方がない。とにかく改札を出た。雪の中タクシーに乗ろうと長蛇の列であるが、こんな日にタクシーなど来るのか。待っても無駄ではないかと思った。
この辺りは右も左もわからない。比較的最寄りと思われる京浜東北線の駅に行こうとしたが、駅員によると運行していないとの情報。途方に暮れながら、携帯電話で地図を検索して確認すると、モノレールの駅が1キロ少しくらい先にある。でも動いているのかわからない。駅員に聞いてもモノレールの運行情報は入っていないとのこと。なぜモノレールの情報が入らないのだろう。それでネットの運行情報を調べると、全て各駅停車になって運行しているとある。ということは動いている。でもモノレールの駅まで移動している間に止ってしまわないか。でもそんなこと考えても仕方がない。
機内に持ち込める大きさのキャリーバッグを持っていたが、キャスターなど役立たない。それを雪の上を滑らせながら、雪の中を黙々と歩いた。
駅に近づくと高速道路を渡る大きな橋があったりする。この辺はさびしい雰囲気のところだなと思いながら歩いて行った。高架橋脚の上をモノレールが走っているのが見えた。良かった動いてる。助かった。


ホームに上がるとすぐにモノレールがやってきた。この大雪にもかかわらず動いてるモノレールは素晴らしい。この時は本当にそう思った。浜松町まで行けば地下鉄に乗ることができる。
でも、もしモノレールが動いていなかったらどうなっていただろうか。

[2014年2月8日(土)に訪問]