新潟県の粟島に初めて訪れた。村上からの日帰り訪問である。そこそこ知名度のある島ではないかと思っているが、なかなか訪問する機会が無かった。粟島は、村上市の北西35キロほどの沖合にある周囲23kmの島で、村上市の岩船港から粟島汽船の普通船(所要95分)か高速船(所要60分)で訪れることができる。自治体名は粟島浦村という。人口は約340人(令和3年度)と、日本で4番目に小さな自治体らしい。粟島には定期船が到着する「内浦」と島の反対側の「釜谷」の2つの集落がある。
岩船港は、村上駅から少し離れていて、路線バスで行くと、村上駅から瀬波温泉経由で岩船港に行くルートになる。
話は少し変わるが、一週間~10日位の旅行では、荷物もそれなりに多くなるので、自分はキャスター付きの少し大きめのスーツケースを使用している(キャリーバッグともキャリケースとも言うが)。シュノーケルのフィン(足ひれ)がちょうど入る大きさが欲しくて購入したものであり、ハンドルやキャスターを交換しながら15年ほど使っている。今回のような小さな島に日帰りで行くときは、コインロッカーに預けて、小さなカバンだけを持って島に行くことにしているが、この粟島訪問時のスーツケースをどこに預けておくかというのが、今回の旅行の訪問前のちょっとした課題だった。宿泊した瀬波温泉のホテルに荷物を預けておくことも考えたが、その後の村上駅からの列車の時刻を考えると、ルート的にも時間的にも難しかった。どうしようかと思っていたが、たまたま前日に船会社(粟島汽船)が村上駅と岩船港との間で乗合タクシー(15分程度。700円だったか)を手配してくれることが分かった。村上駅近くでバッグが入るコインロッカーも前日に見つけておいたので、当日の朝、ホテルから村上駅に行き、そこに預けて、村上駅前から岩船港まで乗合タクシーを利用することにした(長々と記載してしまった)。
この日の行程は、行きは岩船港9:40→粟島港10:40の高速船、帰りは粟島港15:15→岩船港16:50の普通船であり、滞在時間は約4時間半になる。この日の天気は最高に良かった。粟島港付近では島びらきのイベントも行われていた。大変明るいイメージの島だった。島をまわる手段はバスかレンタサイクルか徒歩になる。残念ながら電動アシスト付きのレンタサイクルは出払っていて、普通のレンタサイクル(ママチャリ)を4時間借りた。
反時計回りで島を一周することにして、観光スポットを巡った。走っている途中で、島を離れる前に港がある内浦集落を少し散策したいと思い、一周はせずに島の北側の3分の2位の範囲で港に戻ることにした。そのために釜谷集落へ行くことは断念した。島の道路は思いの外、アップダウンが大きく、天気が良かったこともあり、レンタサイクルで周るのは結構大変だった。しかし反時計回りで周ったのは正解。釜谷方面と内浦に戻る分岐点から、少し走った後、そこから内浦の集落までは、ずっとブレーキが利かなくなるのではないかと思ってしまう程の長い坂道(3kmほど)だった。さすがにこの坂を逆に自転車で上っていくことはできない。
島を離れる時、日本中にはまだ行けていない有人島は多いが、この粟島に再び訪れることがあるだろうか。と、飛島に訪問した時と同じ問いを自分にしたところ、また訪れることがあるかも知れないなという思いだった。
岩船港に到着すると乗合タクシーが待機していて、乗り合わせた人たちと島の話をしながら村上駅へ向かった。皆さんそれぞれ一人旅だったが、バードウオッチングで訪れていて、島内の民宿に泊まられていた。
村上駅からは村上始発17:44の新潟行き普通列車に乗り(新潟19:06着)、この日は新潟駅近くのビジネスホテルに宿泊した。食事は「須坂屋そば」のお店に行った。翌日は佐渡島へ渡る。
最高の天気
少しわかりにくい場所にあるコインロッカー。駅と観光案内所にもコインロッカーはあったが、あまり大きなロッカーが無く、観光案内所の方に場所を教えてもらった
乗合タクシーは、観光案内所の前の、この場所から乗ることになっている
岩船港の粟島汽船のりば
(船の上で、どこを巡ろうかと地図を眺める)
粟島に着いた。最初の一歩
粟島汽船の切符売り場や、観光案内所が入っている建物(粟島開発総合センター)
(この地図の距離を見るとレンタサイクルで走った距離は15キロ程か)
先ほどの観光案内所のある建物の斜め向かいにある役場。その敷地内にレンタサイクル用の大きな倉庫がある。空気入れが置いてあった。自転車のタイヤに空気を入れたのは何十年ぶり?
集落内にある温泉「おと姫の湯」。入ろうと思っていたが、この時間帯は開いていなかった(15時~19時半)
レンタサイクルで島を周る。ここから上り坂800mとの看板があるが、先ずはこの坂が最初の坂になる
進むべき道が分かれる分岐点「県道分岐点」というらしい。今まで走ってきた道は県道ではなく、ここから県道になる。釜谷集落には行かず、港のある内浦集落の方へ。しばらく上り坂だが、やがて内浦集落に向けて長い距離の下り坂になる。今まで苦労して上ってきた坂道を一気に下ってしまった感じである
いくつかある食堂のうち、「あわしま屋」に入った
レンタサイクルを返す途中にあった粟島郵便局
レンタサイクルを返却。同じ思いで島を巡っているレンタサイクルの人たちとの会話も楽しかった。天気も良く景色も素晴らしかった。ところで、このレンタサイクル置場がしっかり作ってあったので面白かった
しばらく散策。1件あった酒屋で缶ビールを飲みながらのんびりした。この写真は、しまびらきイベントの一部でカラオケをやっていた場所。周りにお店も出ていた。お店の人に、もう終わりですかと聞いてしまったが、それほど人が少なかった
(出航時刻が近づき、賑わってきた)
大漁旗でお見送りしていただく
さようなら、粟島という感じ
村上の瀬波温泉が見えてきた。もうすぐ岩船港
岩船港
乗合タクシーが待機していた
村上駅から新潟駅へはのんびりと普通列車で移動(新潟着19:06)
新潟駅。まだ駅前の工事は終わっていない。全国的にも珍しかったバスターミナル(新潟駅万代口バスターミナル)も駅前の再開発に伴い撤去工事中。この前の3月30日に廃止されたらしい。このバスターミナルは全国的にも珍しい頭端式(とうたんしき)といわれる形態だった。スイッチバック式とも言われる。バスが、乗客が乗るためのバス停車位置まで、笛の音に導かれてバックして停車する。全てのバースで同じ停車の仕方になるので、バスがずらっと横並びの状態となる(説明が難しい)。過去に何度かこのバスターミナルの撮影をしてきたが、このように無くなっているところをみると寂しさを感じる
「須坂屋そば駅前店」で、へぎそばと、栃尾の油揚げと、・・・
つづく