旅の途上で

私の旅の記録です

夏の北海道(2/2) 大型バイクでの小さなツーリング

札幌市内でホンダのCB1300SF(スーパーフォア)という排気量1300ccの大型バイクを48時間借りた。初日の12:00に借りて、翌々日の12:00に返却。2泊3日のツーリングができることになる。3泊や4泊ということも考えたが、今回のバイクに乗る目的は、北海道を大型バイクに乗って少しでもツーリングをすることと、羽幌の宿に訪れることなので、2泊3日で十分と考えた。走行ルートはグーグルマップに示した通りである。

そもそも大型の台風が関西を北上しており、日本海に抜けてから、その台風の影響が偏西風の影響で北海道に寄ってきそうな、来なさそうなという大変判断に迷う状況であり、出発予定日の朝の台風の状況をみて決めることにした。

当日朝の天気予報では、なんとか行けそうな感じがしたので、予定通り進めることにした。バイクに乗るのはかなり久しぶりだったことや、それもいきなり大きなバイクでのツーリングなので、ちょっとした緊張感の中での出発となった(ぶっつけ本番では不安があったので、2ヶ月ほど前に大阪で1100CCのバイクを4時間借りて試し乗りはしているが・・・。)

ちなみにバイクはネイキッドタイプに分類。エンジンは4ストローク水冷DOHC4バルブ直列4気筒。走行距離は2,940kmしか走ってない美しいバイクである。セルスタータを回した時に集合マフラーを通じて発するエンジン音は素晴らしい。しかしガソリン込み車両重量は254kgであり、乗っている間は良いが、重すぎて取り回しに苦労するバイクではある。また、停車する直前やUターン時に転倒させないという緊張感はずっとついてまわった。

今回は、バイクでのツーリングを中心に夏季休暇の後半の状況を記録しておく。

いよいよ出発

札幌市街地から国道231号を創生川沿いに北上。この国道231号は日本海オロロンラインに名称を変えて日本海沿いをさらに北上していく

石狩市浜益から雄冬岬のトンネルを超えると増毛町に入る。自分が札幌に居た頃は、まだこの雄冬岬沿いの道(トンネル他)は開通していなかった

道内で最大最古の旧増毛小学校。増毛に来るとほぼ立ち寄る。素晴らしい。この木造の大きな体育館は全国にも無いのではないか。あと、今回は立ち寄らなかったが、日本最北端の酒蔵と言われている国稀酒造、旧増毛駅など見どころの多い小さな町である

留萌駅。今年2023年の4月1日に廃止。駅名板は取り外され、駅構内も廃止後そのままの様子だった。鉄道は地元の悲願でようやく開通にこぎつけても、時の流れでこのように廃れていくんだなと思う時、何とも言えない気分になる

留萌の市街地を抜け、オロロンラインを北上。遠くに天売島(左)、焼尻島(右)が見える。

羽幌町にある目的の宿に宿泊。ライダーを中心に知られる有名な宿である。今回で3度目の訪問。初めての訪問は、学生時代でまだカフェしかやっていなかった時。2度目は約10年前にレンタカーで訪問。その時に次回は必ずバイクで来るぞと自分自身に誓った。そして今回。結局自分のバイクではなかったが、バイクでの訪問は実現した。食事後、近くのホテルの温泉に入りに行った。この日は「お風呂の日」ということで、通常500円が300円だった

夜に少し雨が降ったようでシートがぬれていたが、翌日の天気は良かった。台風の影響と思われる風はそこそこ吹いていたが、走行には問題なかった。羽幌の町を後にして、海沿いのオロロンラインから内陸に向かう国道239号に入り、幌加内町をめざす。ちょうど昼の時間帯になるので幌加内そばを食べることにした。幌加内町は、作付け面積、生産量とも北海道内最大のそば産地として知られる

途中の道の駅「森と湖の里ほろかない」で小休憩

1995年9月に廃止になったJR北海道深名線にあった「上幌加内」駅跡

いくつかある幌加内のそば屋さんで、何となくここを選んだが、何度も来たことがある建物の中にお店があった

なぜ、何度も来ているかというと、深名線の資料室が建物の2階にあるからであるが、1階にそば屋さんがあるとは思っていなかった。少しそば屋さんでの順番待ちをしていたので、その間に資料室を見に行った

薄口だったか濃い口だったか、どちらを頼んだのかを忘れたが美味しかった

同じく深名線の旧「幌加内」駅

この町を通る国道275号は見渡す限りのそば畑だが、何か所かの展望台(展望所?)もある。ここはそのひとつの白銀の丘というところ

旭川市街地の郊外を抜け、美瑛の方へ向かう。先ずはここもいつも立ち寄る「北美瑛」駅。なぜか、駅名板が真っ白で新しくなっていた

台風の名残がたまにある

そのあと、どこに行こうか少し迷った。白金温泉から十勝岳温泉に抜けようとも考えたが、拓真館に行きたかったこともあり、久しぶりに望岳台まで往復することにした。晴天での通称「白樺街道」は美しかったが、クルマの数が多かった。望岳台の駐車場の風が強く、バイクが倒れないかと心配になり、遠くから眺めただけに終わらせた。雲はかかっていたものの十勝岳の美しい山体を見ることができた

美瑛に来ると100%立ち寄る。と言いたいところだが、立ち寄らなかったこともある拓真館。数えたことなどないが、30回とか40回とか来ているのではないだろうか。

自分がここに初めて立ち寄ったのは学生の頃の北海道ツーリング中だった。バイクはホンダのCBX400Fインテグラという、当時はネイキッドタイプという言い方は無かったが、今回のCB1300SFのような形をした有名なバイクだった。札幌勤務時代にタダで廃車してしまったが、その後中古車市場でとてつもなく高額で取引される名車となった。

学生の頃の北海道のガイドブックには、富良野は「北の国から」の影響もあり僅かに紹介されていたが、美瑛は載っておらず全国的には知られていなかった。そのような頃に偶然にもこの美瑛の拓真館に立ち寄った。

拓真館にはここでしか販売されていない翌年のカレンダーがあり、今回も購入した(一時期は販売の無い年もあった)。前回訪問時に気づいたが、建物の中で写真を撮ることもOKになっている

いつもの、有名なポイントで撮影。夕方の時間帯だったからか、台風で北海道に来れなかったからなのかは解らないが、殆ど人を見かけなかった

この日の夜は、珍しくペンションに宿泊した。上富良野にあるペンションである。朝食付きにしたが夕食は付いていなので、最寄りの上富良野駅の近くまで食事に出かけた。特に決めた店もなかったので、目に入った「第一食堂」というお店に入ることにした。あまり食欲も無かったので、豚玉丼なら食べられるかなと思って頼むことにした。ところがびっくりする量のセットものが出来てきた。隣の別のお客さんの頼んだメニューもびっくりする程の量だった。相席で向かいに座ってきた地元のお年寄りの方と話しながら頑張って食べたが、とても食べきれなかった。申し訳ない・・・

翌朝、ペンション付近からの景色

この日は札幌に戻り、12時までにバイクを返却しないといけない。途中、迷いながらたどり着いた千望峠に立寄り、先ずは三笠の町に向けて走る。

ナビを付けていないので、頭の中に地図を入れて走るが、間違うこともある。山間部の一本道で曲がるべき道を曲がらず通り越してしまうと大変なことになる。何度かあったが、2車線の道幅では乗ったままUターンをするほどバイクの扱いに慣れていないので、Uターンできないまま道幅が広くなるか、駐車スペースがあるところまで走り続けることになる。停めて、押しながらUターンさせることもできなくはないが、結構危なくて大変である。乗っているときは良いが、取り回し(押したり引いたりして移動すること)は大変なバイクである。少し話は変わるが女性ライダーでも大型バイクに乗っている人もいるが、取り回しは大変だと思う。羽幌の宿に泊まっていた女性ライダーもBMWのビッグバイクだったが、駐車スペースから引いて移動させるのに、宿の人に手伝ってもらっていた。そこまでして大きなバイクに乗らなくても・・・と思って見ていたが、特別な思いがあるのだろう

富良野スキー場

三笠ドーム近くの駐車場で最後の撮影。この後、北海道縦貫自動車道の三笠ICから一気に札幌に向けて走る。今回のツーリングにおいて、最初で最後の高速走行を楽しんだ。一般道でもそうだが、排気量はゆとりががあって楽だが、高速になるとそれだけ風圧を受けるので、カウルがないと結構つらい。それと夏特有だが、高速になるとヘルメットのシールドに虫が当たって潰れるので、気持ちの良いものではない

札幌でバイクを返却。今回のバイクでの走行距離は620kmだった。その後、北海道新幹線の札幌駅建設予定地を撮影しながら札幌駅の方へ向かった。このESTA(昔はそごうだったような)も8月末で営業が終了する

大通公園に面した銀行系ビルの地下にあった「やきそば屋」は、札幌駅前のアスティ45に移って営業されている。札幌勤務時代の昼食として時々行っていた

最後の夜は定山渓温泉のホテルにしていた。比較的安いホテルを取ることができた。札幌駅からの往復はホテルの送迎バスを利用

定山渓のホテルにチェックインするときに、事前に預けていた大きな荷物を受け取った(レンタカーに乗っていた時に預けに行っていた)。バイクツーリング中は必要なものだけを持参していて、他の荷物はこのホテルに預けていた

翌日は、ホテル発10時の送迎バスに乗り札幌駅へ戻る。特にやることもなく、荷物も多いので、かなり時間が早いが新千歳空港へ向かい、荷物を預けてしまうことにした。今回は、バイク用の荷物の量が多かった。ライディングジャケット(プロテクター内蔵)、ブーツ、グローブ、レインウェア(←これは結局使わず)・・・。さすがにヘルメットは借りた。初めはやはりイヤだなと思ったが、不快感などは無かった

新千歳空港で半日過ごしたが、意外と時間は早く進んだ。

今年、2023年の夏季休暇は、前半の奥尻島訪問と賀老の滝と、後半のバイクツーリングが大きな目的だったが、それを実現することができた。休暇中はずっと天気は良かったが、とても暑い北海道だった。バイクについては、次に乗るのはいつになるだろうか。やはり自分で購入しようと頑張るか、たまにバイクを借りれば良いかと思うか、今は何とも言えない

[2023年8月11日(金・祝)~8月19日(土)]