旅の途上で

私の旅の記録です

待ちに待った流氷接岸!(冬の北海道⑨/12回)

朝から天気が良かった。降り積もった新雪が素晴らしく美しい。
今日は知床を離れる日である。結局流氷を見ることなく知床を離れるのかと思うと残念でならない。当初、宇登呂滞在の次はサロマ湖常呂)に宿泊しようと考えていたが、それは流氷が来ていたらの話なのでその必要もない。翌日の宿泊先は層雲峡温泉にしていたので、方向的には北見にしようかと考えていた。もし、明日接岸することになりそうなら、もういちど網走の方に少し戻ってもいいと考えていた。
知床で過ごす最後の日、天気がいいこともあり、大好きなフレペの滝(乙女の涙)に行ってから、知床をあとにすることにした。

[2/22(月)]宇登呂→知床斜里駅→涛沸湖→北浜駅→網走市中心部→網走湖北見市中心部(宿泊)



宇登呂市街地の中心にある交差点



幌別橋を渡りプユニ岬近くへ。そこからの眺望。この時期なのに、流氷が接岸していない海を見ることになるとは・・・


知床自然センターの方へ向かう道も真っ白い雪で気持ちがいい


知床自然センターで長靴とかんじき(スノーシュー)を借りて、フレペの滝を目指す。別名「乙女の涙」ともいう。
ところで、いつの間にか行けなくなってしまい、観光情報にも全く出てこないが、近くに「男の涙」という名前の滝もある。知床自然センターから岩尾別、知床五湖方面へ車で少しだけ走ると左手に空き地がある。そこから茂みの中の道を歩き、急な崖のような坂を海辺近くまですべり降りていく。すると海からそそり立つ断崖の間から何か所も水が噴き出し海に流れ落ちる滝を間近に見ることができる。もう相当前であるが学生の頃に何度か行っている。また、その崖下の浜辺には大きな岩があって、そこで昼寝をしたこともある。このあたり一帯はクマが出没する場所でもあり、今思えば恐ろしい。そういう場所なので立入禁止になって、いつの間にか忘れ去られてしまったのかも知れない。


知床自然センターが完成してからは、ここを拠点にフレペの滝(乙女の涙)に行くことができる。片道約1キロの距離である。始めのうちは林の中を歩いていくが、途中から雪原の中を歩くことになる。まだ誰も歩いていない新雪の上を、自分の足で踏んで歩くことは気持ちがいい






フレペの滝は四季折々で素晴らしい。この時期の滝の水は青い色に凍っている。この断崖絶壁とオホーツク海の広がりが何とも開放的であり、何度来てもここは素晴らしいと感じるところである


水平線のかなたに流氷が見える



1枚目がオオワシ、2枚目の、飛んでいる鳥はオジロワシ


欧米系の外国人が4、5人、ここに着くまで雪にはしゃぎながら歩いてきたのが印象的である。展望台から鳥を撮影している。
ところで、この展望台の奥の柵の下、写真からは見えないが崖の下に大きな岩があって、そこまで降りることができた。そこにはこちら側から見えないオホーツク海側に少しだけ広い場所があって、そこに立って海を眺めると、広い空と海に飛び込むような空間の中に身をおくことができた。結構危険なので、ここも今や行くことはできない


知床自然センターに戻る途中にいたキタキツネ



宇登呂の市街地に戻り、また知床世界遺産センターに立ち寄った(狭いエリアなのでこの滞在期間中に何度も訪問)。そこで、「網走の方で接岸しているとの情報がある」という話を聞いた。しかしその時は、この宇登呂にも流氷が来ていないのに、それは無いのでは?と思ったので、あまり信用していなかった



港の中には少しは氷がある。今日も流氷ウォークのツアーが行われていた。









いよいよ知床(宇登呂)を離れる。先ずは斜里を目指して走る。オシンコシンのトンネルを抜けると、知床から離れたという気分になる。
しばらく走ると、なんと流氷が海一面に広がってきた。まだ小さな氷で、沖合までの広がりもなく、波打ち際では接岸しきっていないが、間違いなく流氷と呼べるものである。やっと来た、やっと見ることができたと、嬉しくて仕方がなかった



斜里の街中にあるドライブインの建物横に並べられている駅名板。大昔からこのままの状態で置かれている。貴重なものだが、よく盗難されることもなく保管?されているなあと感心する






釧網線知床斜里駅。1998年にそれまでの斜里駅から知床斜里駅に改称している。その昔は廃線となった根北線が接続していた、駅構内にはキハ40が停車中。少し待つと、網走方面から冬季限定の観光列車である「流氷ノロッコ号」がやってきた。この知床斜里行きは、機関車は先頭ではなく後ろから客車を押す形で走る。
この人気のイベント列車であるが、機関車の老朽化を理由に、今季限りで廃止になるという話もある


斜里国道(国道244号)の北側、平行に走る直線道路を西へと走る


止別(やむべつ)駅





斜里国道から浜小清水前浜キャンプ場に行くために渡る釧網線の踏切(浜小清水駅近く)と、その先の海岸から見たオホーツク海。一面が流氷で埋め尽くされているが、一つひとつの氷が小さい









網走市に入って、すぐ右側にあるセイコーマート横の細い坂道。その坂を上りきると小さな踏切があって、その先は一面の流氷。夕日により少しだけ赤みがかっている。いつまでも見ていたくなる光景だった



白鳥が飛んでいく。近くの湯沸湖から飛び立ったのだろう





あまりにも有名な、「オホーツクに一番近い駅「北浜駅」」







斜里駅から網走の市街地へ向かう途中から見た流氷。遠くには知床連山がうっすらと見える


左手に凍結した網走湖を見ながら北見の街を目指す




この2月22日夜のテレビニュース。網走地方気象台が流氷接岸初日と発表。去年比34日、平年比20日遅い、昭和34年以降で最も遅い接岸とのこと。接岸しなかった年もあったと初めて知った。その年よって変動はあるが、間違いなく流氷は少なくなってきているようである。何十年も経たないうちに見ることができなくなるかも知れない。そんなことを思いながら、次回も2年後に流氷を見に行こうと考えている

(つづく)