去年の秋ぐらいから、何となくまた高知に行きたいと思っていた。年末年始を過ごした山陰の帰りに岡山駅を通るということもあり、岡山から瀬戸大橋を渡って高知に行くことにした。
高知に前回訪問したのは2009年9月。シルバーウィークをフルに利用した5泊6日の四国の鉄道全線乗りつぶし旅行の時である。今回の旅行は高松に1泊、高知に2泊の短い期間ではあったが、初めて行くところも多くなかなか充実した内容であった。3度目の高知訪問である。
夜の高松駅。タクシーでホテルへ直行。もう少し早く到着したかったが、昼過ぎまで米子にいたのだから仕方がないか。鉄道で高知駅まで行くことも考えたが、高松に宿泊し、翌日にレンタカーで高知へ移動することにしていた。
荷物を置いてすぐに食事に出た。ホテル周辺の商店街を結構歩いたが、これといったお店がなかった。香川県の名物は何か。うどんだけか。やたらに焼鳥屋は目につく。正月で閉まっている店もあり、いくつか入ろうとしたお店は混んでいて入れなかった。高松にある支社の人に何度も食事に連れてきてもらっているが、そういう場合は付いていくだけなので、どの店に行ったかなどわからない。探し回ったあげく、なぜかイタリアンのお店に入った。なぜ高松まで来てイタリアン?何か物足りない。やはりうどんは食べないと。なんか連れてきてもらったことがあるような無いような五右衛門といううどん専門店に入った。なぜか普段はあまり食べないカレーうどんを頼んだ。美味かったけど、やっぱり普通のうどんにすべきだったかな。一軒目からここでおでんとか食べても良かったかなとも思った。あまり食に恵まれない夜であった。
翌日は素晴らしい天気。高松駅前でレンタカーを借りて高知に向けて出発。高速道路は使わず、一般の道路を高知までのんびりと走りたかった。そのため直接高知に行かずに高松に宿泊することにしていた。
途中立ち寄ったJR阿波池田駅。前回は鉄道旅行の途中にこの駅で下車し、駅近くのバスターミナルから出ているボンネット型の定期観光バスに乗った。大歩危、かずら橋などを効率よく巡ることができる。
道の駅「大歩危」から見下ろした吉野川の支流。写真の奥に写っているドライブインの建物から大歩危峡の船下りが出ている。前回はその観光バスに船下りも組み込まれていたので乗船している。
杉の大杉というスギの巨木。国の特別天然記念物に指定されているらしい。日本一の大杉ということだが、確かに大きいが何に対しての日本一なのかわからなかった。美空ひばりも2度訪問しているらしい。夢がかなうそうだ。
龍河洞。いつか来てみたかった日本三大鍾乳洞と言われるもののひとつ。この階段の隣にエスカレータがついているので、鍾乳洞入口までは楽だった。
鍾乳洞の延長4キロのうち、観光客が見てまわる長さは約1キロ。途中には狭い部分が何か所かあり、体格のいい人(太っている人)は通れない。入り口の受付の方が体型を見ているのだろうか。急な長い階段もありお年寄りにはつらいかも知れない。しかし、通路は完璧なほど整備されていて歩きやすい。鍾乳洞を抜けると、駐車場までの長い下り坂がある。この付近は刃物を売っているお店が多い。高知県の特産品だろうか。後で調べると土佐打刃物という伝統工芸品らしいことがわかった。
鍾乳洞を出ると、併設の龍河洞博物館と龍河洞珍鳥センターがある。博物館は相当昔から展示をしているといった時代を感じさせるレトロなものだった。珍鳥センターではオナガドリを見ることができる。特別天然記念物に指定されているとのこと。尾を美しく長く保つためらしいが、窮屈な箱の中にじっとさせられていてかわいそうな気がした。
この鍾乳洞からそれほど離れていない場所に「香美市立やなせたかし記念館」がある。なんと市立の建物である。先日のやなせたかし氏が亡くなったというニュースを思いだす。
アンパンマンミュージアム開館15周年を記念してやなせたかし氏が寄贈された「闘うアンパンマン像」。
アンパンマンミュージアムの受付付近の様子。
地下の「アンパンマンワールド」には、大きなかわいらしいジオラマがある。アンパンマンたちが暮らす町のジオラマらしい。
収蔵庫の壁にも大きなアンパンマン。
高知市内のホテルにチェックイン。前回も高知市内に宿泊したが、全くホテルが空いておらず、何とか見つけた小さなビジネスホテルに泊まった覚えがある。今回は多くのホテルから選択でき同じホテルに2連泊した。
はりまや橋を復元したもの?。この後、楽しみにしていたカツオを食べに行こうとお店をさがした。前回来たとき、はりまや橋商店街を少し入った地下の店で、分厚いカツオのたたきを食べた覚えがある。でも探しても場所がわからない。帰宅後に調べてみたら近くだが移転していたようだ。結局近くのせい和というお店に入った。カツオは無かったがいくつかの郷土料理を食べた。おいしいお店だった。あとでわかったのだが、カツオを出すお店は、正月のために生のカツオではなく冷凍のカツオを出していると思われた。確かにそうかと思った。明日は食べられるのかなと思って我慢した。
翌日は、走ったことのない山道や川沿いの道を走ることにした。晴天である。先ずは仁淀川沿いの道を快適に走る。ほとんど車は走っていない。前回の高知ドライブは、鉄道旅行中に土佐くろしお鉄道の中村駅前でレンタカーを借りて、四万十川沿いを走ったり、足摺岬に行ったりした。しかし当時の土日祝日の高速道路料金上限が1,000円だったこともあり、四国外の関西のナンバープレートが多く、四万十川沿いの狭い道で何度も何度も離合のための渋滞に出くわした。
四国カルストに行くつもりで、山の中のクネクネ道を相当長い距離登って行った。悪い予感がしていたが、やはり積雪で進めなくなりまた同じ道を下って行った。悔しいがこれだけは仕方がない。冬でもスタッドレスタイヤが必要な地域ではないし。
梼原町(ゆすはら)にある道の駅。トイレがきれいに掃除されていて気持ちよかった。道の駅近くには「雲の上の温泉」という温泉が併設されていた。浴用加熱の温泉施設ではあるが、ちょっと休憩がてら入浴することにした。その後梼原町の中心部を少し走ってみた。この町は気になっていた町のひとつである。全国で20自治体ほど指定されている「環境モデル都市」のひとつである。自然エネルギーを活かした取り組みによって、低炭素なまちづくりを進めている。
土佐大正の静かな商店街。入ってすぐのところにある酒屋に入った。偶然に入ったが、この地域を代表する酒蔵であった。「無手無冠」という辛口のお酒を造っている。夜、ホテルで飲んでみたが確かにかなり辛い。
予土線の土佐大正駅の表示板。いまだに国鉄という表記が残っていて、なんともレトロ感が漂い素晴らしい。
海洋堂の「ホビーミュージアム四万十」というところに所に行った。海洋堂は、詳しくは知らないが極めて精巧な模型作りの技術を持つ、知る人ぞ知る特色ある会社である。こんなところにミュージアムがあるのかという感じだった。昔の小学校を改造して使っている。
夕方の窪川駅に立ち寄った。ここはローカル色ある予土線の乗換駅。予土線の東半分は四万十川に沿って走る。
ホテルに到着。また食事に出かけた。今日はどこに行こうかと。本場に来ていながら冷凍物のカツオなのでちょっと気合が入らない・・・。結局、その冷凍のカツオを食べたが・・・。でもこのことを知らなければ気にしなかったかも知れない。ホテルに帰る途中でカツオの電飾の土佐電鉄車両を見かけた。
これがはりまや橋。日本三大がっかり名所のひとつというが・・・。
いい雰囲気を出している、ごめん行きの土佐電鉄車両。
最終日。今日も快晴。昼過ぎには高知市内を出発して高松に戻るために、近場を見てまわることにした。これはアンパンマンの電車。四国にはJRの特急列車や、土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線の車両にもやなせたかし氏の絵がラッピングされている。
桂浜駐車場近くにある土佐闘犬センター(2014/4より土佐犬パークに名称変更予定)。横綱犬はこれまでも写真で見たことがあった。実物を見ることができるということで、楽しみにしていたことのひとつである。1階が土産物屋、2階が闘犬場とか資料館がある。時間まで土産を見てまわって時間をつぶす。観客は少なく15人程度だっただろうか。闘犬場は相撲の土俵なものが中央にあり、周囲に階段状の観客席があった。土俵と違うのは、そこに円形の柵がついていることと、その柵の上に小さな椅子がいくつかついていたことである。この椅子は何?と思ったがやがてわかる。いよいよ始まる。最初は横綱犬のお披露目。豪華な化粧まわしを着けた横綱犬は風格が漂っている。次に土佐闘犬の闘いが始まる。大型犬、中型犬、小型犬同士(体重によりクラス分け)での闘いで、それは日によって違うらしい。本日は中型犬とのこと。2匹の土佐闘犬が各々連れられて登場。すぐに縄が外されるやいなや2匹が飛び掛かかる。その後のさまはすさまじくてうまく表現できない。土佐の闘犬は歴史が古く、昭和始めの戦時中にも闘犬は兵士の士気を高めたり、各地の病院を慰問するためにも行われていたそうである。闘うために生まれて育てられた犬か。とにかく何とも言えない光景である。土佐闘犬は歴史と伝統がある。今は高知県の天然記念物に指定されているらしい。
桂浜。晴天と、その光の加減。そして砂浜には人も少なく、とても美しい桂浜を見ることができた。
高松駅でのスナップ。四国を後にする。快速マリンライナーで岡山駅へ。そこから新幹線に乗り換え。指定席は結局満席で買えていなかったので、新大阪まではデッキに立って行った。ちょっと疲れていたこともあり、東京までデッキに立ったままというのはやりたくなかった。それで新大阪駅でいったん下車し、新大阪発ののぞみ自由席に乗ることにした。1号車は座席数が少ないので、同じように並んでいるのであれば、2号車か3号車がいい。ホームで少し待ったが、2号車のD席に何とか座ることができた。さっき売店で買っておいた缶ビールを飲みながらしばしぼーっとしていた。やれやれである。色々あったなとか、東京に着くのは少し遅くなるなとか、明日から仕事かとか思いながら・・・。
[2014年1月2日(木)〜5日(日)に訪問]