旅の途上で

私の旅の記録です

2013年の夏休み③<東北編>

<青森での夜の食事と、おすすめのホテル>
これまでも青森駅周辺での夜を何度も過ごしたが、いつも食事の場所に困る。毎回違うお店をさがして食事をしている。ここはいい、また来てみたいと思えるようなお店には、残念ながらまだ出会えていない。
ところが、最近お気に入りのホテルはある。といっても、今回でまだ2度目の宿泊である。駅の正面の道路(新町通り)をまっすぐ歩き、駅から200mほど歩いた先のホテルである。なんといっても朝食が素晴らしい。ビジネスホテルの無料朝食にしてはすごすぎる。朝からこんな種類はいらないだろうっていう感じである。宿泊代に含まれているのかも知れないが、朝食料金を別にとっているビジネスホテルの朝食バイキングと比較しても、その違いはあまりにも大きい。

五能線
鉄道の旅で、乗ってみたい路線のトップクラスに位置付けられている人気路線である。全国にはまだまだ素晴らしい路線はあるが、海沿いの変化のある海岸線を走る路線としては確かにいいと思う。
初めて乗ったのは、高校生の時である。東能代駅から普通列車に乗って、途中の深浦駅で下車しユースホステルに宿泊。深浦駅近くの石段をあがったところにあるYH荘厳寺という、お寺のユースホステルである。今でもあるのだろうか。たまたまその日はお盆の15日で、夜は海岸で村の小さな盆踊りが開催されていた。他のユースホステル宿泊者(ホステラー)と一緒に踊って楽しいひとときを過ごした。一緒に踊っていた大学生から、「学生は時間があってもお金がない、社会人になったらお金があっても使う時間はないらしい」というようなことを話されたことをなぜか覚えている(←社会人になって、時間はないがお金もない現実・・・)。また地元のお年寄りとも話をしたが、ほとんど何を言っているのかわからなかった。子供のころからたまに行っていた鹿児島の叔父の言葉もわからなかったが、日本列島の端に行くに従い、方言がきつくなるものなのかと思ったものだった。
これが初めて五能線に乗ったときの出来事である。その後もこの五能線には何度か列車に乗っているし、平行する道路も車で何度か走っている。冬の荒波の日本海に沿って走る鉄道風景は旅愁を感じさせる。五能線の鉄道写真にはそういったものも多い。でもよく考えると、冬にこの五能線に乗車したことはないかもしれない。


青森駅の改札口


リゾートしらかみには、3種類の列車が走っている。その中の「青池」


さすが観光列車


江差から秋田までの切符。江差の駅名が入った切符は思い出になる。
が、これまでも切符の整理ができていない・・・


「青池」先頭車の運転席横から�


「青池」先頭車の運転席横から�


東能代駅停車中にホームから撮影。これが3種類のリゾートしらかみ


秋田駅構内に飾られているなまはげ

男鹿半島
前回、この男鹿半島に足を踏み入れたのは、2008年の11/2。JR男鹿線の初乗車をするためだけに訪れた。早朝の秋田駅を出発した列車で男鹿駅に着いて、いったん駅前に出て駅舎を眺めてから、そのままその同じ列車で引き返した。ひどい大雨の中だった。それ以前にも一度訪問しているが、もう20年前程になる。当時の自分の車であったダットサンピックアップトラックで東北旅行をしていたときである。その時は寒風山と入道崎にだけ訪れている。
このようになんとなく中途半端な訪れ方をしていたこともあり、今回は男鹿半島を一周することにした。秋田からレンタカーで出発。先ずは寒風山に立ち寄り、男鹿温泉の温泉街を抜けながら入道崎へと、以前訪れたところを再訪した。それから少し戻り、今回初めてで楽しみにしていたなまはげ館に行った。閉館時間が近かったが、なまはげの由来やその種類の多さというものを学ぶことができた。とても面白いところだった。その後また入道崎へ戻り、そこからは美しい夕暮れの時の半島西側の海岸沿いの道を走った。
念願の半島一周を達成して、秋田市街地のホテルに戻った。


寒風山。少し霧がかかっている


入道崎の灯台


なまはげ館。なまはげが勢ぞろい。まだまだたくさんある(いる?)

日本海に沿って南下>
新潟から秋田への日本海沿いの道。過去にこの道を2度走っているが、どちらも夜に、南から北へと走っている。明るいときに、この海沿いの道を走ってみたい。今回の旅行でこんなルートを選んだ理由のひとつである。これも実現した。


途中の酒田市で立ち寄った映画のロケ地。「おくりびと」という映画

<米沢から羽黒山へ>
初めて走る道としてあえて選んだ道である。ほぼ並行して走る山形市上山市南陽市米沢市を走る国道13号線は、これまでも何度か走っている。今回は走ったことのない国道287号の方を選んだ。
途中の左沢駅に立ち寄る。ここは北山形駅から分岐する左沢線の終着駅である。この左沢線に乗車したのは何年前になるだろう。
左沢駅を後にして、六十里越街道という道を走る。いまでは平行して山形自動車道が通っているが、あえてその高速道路に乗らず旧道の方を走った。途中に月山山麓湧水群というところがあり、そのひとつのブナの泉という湧水場所で水を飲んだ。さらに先へ走ると湯殿山道路という道があった。湯殿山神社というところに行くことも考えたが、わざわざ行くほどのところかどうかわからなかったので断念した。途中立ち寄った道の駅「月山」では、このあたりの名産の月山ワインというのがあるらしく、今夜の宿で飲もうと思い小瓶のワインを購入した。


出羽三山神社羽黒山五重塔(国宝)


鳴子温泉に行く途中。JR陸羽東線にある小さな駅。山形県宮城県の県境の駅

鳴子温泉
鳴子温泉に初めて宿泊した。鳴子温泉の数ある温泉宿の中から選んだ宿は、温泉街の中心からやや東側にあった。規模的には適度な大きさの温泉旅館である。お風呂の数も多いいい宿であった。
この鳴子温泉には、これまでもJR陸羽東線に乗車したときに通過したり、車での東北旅行中に通過したということが何度かあったが、有名な温泉地であるにも関わらず入浴したことがなかった。やっと入浴したのが昨年2012年の11/2であるが、その時もいくつかの宿の温泉を日帰りで楽しませてもらっただけで、この温泉地に宿泊はしてない。
ところで、この鳴子温泉の滝乃湯という共同浴場は素晴らしい。浴場の雰囲気もいいが、打たせ湯のように、高いところから白濁したお湯が豪快に湯船に落とされて、湯船のふちから惜しげもなくお湯が流れて出ていく。そういう湯船の中で入浴する。本当に気持ちがいい。


表から見るよりも、中の雰囲気がいい

日帰り温泉をいくつか>
この辺りにも温泉が集積している。翌日は鬼首温泉の宿に宿泊入浴をするつもりであったが、駐車場に大量のアブがいて、車から降りることもできず入浴を断念した。このアブの大群を経験したことが無ければ理解できないかも知れない。
ここでアブのことを記載するつもりはないが、夏の北海道や東北での露天風呂はアブに注意が必要である。と言っている間はまだまだ甘く、多くのアブが飛ぶなかでの入浴はできず、この時期の温泉旅行はかなり危険である。2011年の夏休みも10日間の東北温泉旅行を行ったが、秋田県の大湯温泉の露天風呂で2か所も刺されて腫れ上がり、しばらく我慢していたが心配になってきて、翌日、花巻市を通った時に大きな病院で半日潰してみてもらったことがある。アブは北海道や東北に限ったものではないが、昔は北海道でも夏にアブで悩まされたという記憶がないので、最近はなぜか増えてきているのではないかという気がしている。
と、アブの話はさておき、鬼首温泉を断念した後は、秋田県方面へと走り、秋の宮温泉の「秋の宮山荘」と、泥湯温泉「奥山旅館」に入浴した。特に、来るたびに人が多いイメージの泥湯温泉には人も少なく、ゆったりした気分で入浴することができた。

<花輪ばやし>
花輪ばやしを見に行くことは、今回の旅行の最大の楽しみのひとつであった。もともとの計画では、秋田県の湯沢近辺の温泉宿を最後の宿泊場所にして、そのまま秋田自動車道秋田空港にいくつもりであった。しかし計画途中でこの祭りのことを知ったため、この祭りのために行程途中の宿を変更して、わざわざこの祭りのためだけに、湯沢→北上→鹿角市まで、一気に高速道路で長距離を移動することになった。

花輪ばやしは、公式ホームページによると、この地域の代表的な民俗芸能で、秋田県の無形民俗文化財の指定を受けているとのこと。祭典は、お盆明けの8/16に本殿からのお御輿が町内を一巡りして「御旅所」に安置されることから始まり、20日に本殿へ還幸されるまでの5日間行われるとのこと。その中の19日、20日の両日は盛大に行われているとのこと。暗闇に浮かび上がる豪華絢爛な屋台、夜を徹して鳴り響くお囃子は「日本一の祭り囃子」と賞賛されるとのことである。

この祭りを是非見たいと思って湯瀬温泉で宿泊することにした。お祭りでお酒が飲めないこともあり、温泉地最寄りの駅から鹿角花輪駅まで花輪線の列車を利用した。地方のお祭りはいつもワクワクさせてくれる。

花輪ばやしの写真を5枚





花輪線の臨時列車。陸中花輪より西側方面は、前日の大雨で不通

<その他の写真を少し>

出張くまモンくまモンは日本中の観光地で見られる。こういう売り方も・・・


秋田県玉川温泉には、玉川温泉新玉川温泉、そして「玉川温泉そよ風」があって、今回は初めてここに日帰り入浴した。どこも泉質は同じ。極めて酸性が強くて、源泉100%に長くは入っていられない。恐るべし玉川温泉


玉川温泉から国道341号を南下している途中に見つけた景色


帰りの飛行機の窓から

(おわり)

[2013年8月10日(土)〜20日(火)に訪問]